会期: 1999年9月10日(金)~10月9日(土)
オープニングレセプション:9月10日(金)18:00~20:00
主催・会場: 伊藤忠ギャラリー 東京都港区南青山2-27-21 
(地下鉄外苑前駅より徒歩3 分)
PHONE:03-3497-1261、8663 FAX:03-3497-8665
URL:http://www.market.co.jp/itochugallery
開廊時間: 10:00~18:00(日祝休) 入場無料
(※土曜日は12:00~18:00まで開廊)
展示作品:
・ラルフ・ギブソン写真「L'Histoire de France」
  (「フランスの歴史」(1990) 51点のカラー写真からなる
ポートフォリオ)より約15点
   
・ロバート・メイプルソープ、モノクロ写真
  「アイリス、 ヒヤシンス、蘭(Irises,
Hyacinth & Orchid)」(3点セッ ト)(1987)
「花瓶の蘭 (Orchid in Vase)」 (1987)
「カラーの花(Calla Lily)」(1984)    計5点
展覧会についてのお問い合わせは担当・中井までお願い致します。
 
 ラルフ・ギブソンの"L'Histoire de France"[フランスの歴史]と題された51点組のシリーズは、1991年にニューヨークのレオ・キャステリ・ギャラリーにて発表され、同年出版された写真集においても話題となりました。この作品は、モノクロームの写真家として20年以上アメリカはもとより世界の写真界に名を馳せてきた彼の、初のカラー作品の発表としても、注目されるべきものです。  1971年に初めてフランスにわたった彼は、建物の小さな装飾や、街角の何気ない佇まい、ほの暗いカフェの小物や物憂げな女性たちに魅力を感じました。 威厳ある写真家として難しく構えるでもなく、まるでフランスの空気にじゃれ合うようにスナップされた作品は、作家マグリット・デュラスに「子供の目が見ている風景のようなもの」と称賛されました。 21歳の頃、彼は「シュールレアリストの写真家になりたい。」と言いました。しかし、お定まり風のシュールレアリスト風とは一線を画する彼独自の表現と昇華され、認められたのでした。 「私は影が初めて自らの影を作り出すことがわかった。私の人生もこうして写真を作っているときだけ焦点が合い、それ以外の時はぶれているのだと--。」

 一方、エイズで1989年に42歳の若さでこの世を去ったメイプルソープは、独自の美意識の追求を芸術に高め、アメリカの写真史のみならず現代美術の1シーンに記録を残しました。彼の作品は、対象がポートレイトであれ、花であれ、同じく彼自身の独自の高い美意識と視点をもって撮影されています。彼の写真作品の中に充満している劇的な光は、微妙な変化や効果を作り出すために、注意深く意識的にコントロールされ、彼の被写体のすべては、スタジオの中の濃密な空間で撮影されるようになります。 なかでも花の写真は、写真という表現方法の飽くなき探求と、自己の表現スタイルの完成を目指す過程で、生涯を通して彼の興味を引き続け、彼の作品の中でも最も魅力あるテーマのひとつでした。 異なったタイプの写真家の、それぞれの、光と影の探求をテーマにご覧いただこうと存じます。是非この機会にご鑑賞頂けますようお願い申し上げます。
 
 
 
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