海・音楽・花 ミューズからの霊感-デュフィ三部作
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<<ニースのカジノ>>
Nice le casino

原画制作年:1936年
額サイズ:74×94cm
額付価格:270,000円(税別)

ニースのカジノ
 天使の湾と呼ばれる南フランス、ニースのこの海岸をデュフィは数多く描いている。この作品では、のどやかな昼下がりに海岸を散歩する人々の姿や、木々の自然なたたずまい、まばゆいばかりの波間の陽光などが、のびやかな筆づかいと軽やかな色彩の組み合わせによって水彩画の最高傑作とも呼ぶべき作品に仕上げられている。
 この作品には、数百枚に及ぶ下絵やデッサンが存在するが、それを感じさせない新鮮さによって、印象派でもフォービズムでもないまったく新しい表現を見出している。それはあたかも画面全体がデュフィのサインであるかのように、デュフィそのものであるといえよう。

ヴァイオリンのある静物

<<ヴァイオリンのある静物>>
Nature morte au violon

原画制作年:1952年
額サイズ:78×88cm
額付価格:270,000円(税別)

 バッハへのオマージュとして描かれたこの作品には、デュフィ芸術の重要な様式と精神が見事に調和して表現されている。個々のモチーフである「ヴァイオリン、楽譜、ピアノ、壁紙」の本来の色彩とは無関係に彩色された色階は、むしろ室内に共鳴する音色を表現しており、右側の壁にかけられているアルムの花と壺を描いた絵画も、そのまま窓辺の花束のようにも見える錯覚を与えることで、空間の奥行きを造りだしている。
 これらの見事な不整合性により、画面全体が響き合うコンサートホールのようなイリュージョンを与えている。翌年、悪化したリューマチが原因で他界したデュフィの両手指の不自由さを考えるならば、この作品の軽快な仕上がりはまさにミューズからの霊感であるといえよう。

<<モンソネスの私たちの家>>
Notre maison de Montsaunes

原画制作年:1943年
額サイズ:75×78cm
額付価格:270,000円(税別)

モンソネスの私たちの家
 1942-43年にかけての2年間、デュフィはナチス占領下にあるパリを離れ、ロラン・ドルジュレス*のモンソネス(スペイン国境沿い、ペルピニャンの近く)にある別荘に身を寄せていた。ある日の午後、激しい通り雨の去った後、庭に出たデュフィは素早くこの作品を描き上げた。雨に散った枯葉、水分を含んだ地面、活き活きと光を浴びる花瓶の花束、瑞々しい瞬間の光景をその独特の筆致でためらいもなく描ききっているのは、まさに見事としかいえない。

*ドルジュレスは詩人であり、デュフィの生涯を通じての友人であったが、後年この占領下での暗く、しかし充実した日々を『強いられたヴァカンス』という一冊の版画集にまとめている。


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